第102回吉村篤一氏(大阪工業大学客員教授/京都女子大学 武庫川女子大学非常勤講師)、吉井歳晴氏、吉本剛氏
タイトル |
第1部:透かすこと - 癒着しないこと - 第2部:トークセッション/吉村篤一氏、吉井歳晴氏、吉本剛氏 |
日時 |
2011年12月13日(火)18:00〜20:30 |
会場 |
こうべまちづくり会館ホール(2階) 兵庫県神戸市中央区元町通4-2-14 TEL.078-361-4523 |
第102回アーキテクツサロンは、建築環境研究所主宰の吉村篤一氏をお招きして「透かすことー癒着しないことー」という興味深いテーマについての講演でした。
1部の前半は吉村氏が世界中を旅して、これまでに影響を受けた空間、建築、風景、ディテールなどの写真を一点ずつ丁寧に真っ直ぐな感動を伝えて頂きました。後半は自身の作品を題材に年代を追いながら、その時々に考えたことや諸条件の解決を詳しく説明頂き、吉村氏が大切にしているスケールや素材、和のエッセンスを垣間見られるお話で、誌面では見えない部分や環境が発見できた貴重な講演でした。また、テーマの「—癒着しないことー」は、坂倉建築研究所時代の西澤文隆氏がよく口にしていた言葉らしく、会場を埋め尽くした参加者達は、言葉の真意に興味津々で吉村氏の言葉の一文一句を聞き逃さず熱心に聞かれていました。
第2部は建築環境研究所OBの吉井歳晴氏と吉本剛氏に登場頂き、師匠の吉村氏を交えてのトークセッションを弟子お二人のコーディネートで進行して頂きました。
吉井氏が用意した吉村事務所スタッフ年表の説明を伺い、OBも現役のスタッフも大変な人数で強いネットワークが吉村事務所の魅力を一層引き立てており、先輩と後輩の繋がりや絆が吉村氏を通して全て繋がっている素晴らしい脈絡を感じました。
吉村事務所時代に担当したプロジェクトの思い出話しや所長との秘話を吉井氏と吉本氏がそれぞれ公表し、コンペでのエピソードや提出までのプロセスを所長へ再確認しながら公表していただいた。時効で解禁になったお話や、OB数名から聞き取り調査した吉村作品No1の発表など講演時間を過ぎても終演しそうになく、脈々と話の尽きないトークセッションに参加者大満足の講演会となりました。
吉村氏の温かい眼差しや建築に取組む姿勢、それを肌と心で感じながら過ごす修業時代が吉村事務所の最大の魅力であり、OBとなったその後も脈々と家族のように繋がっていることを少し羨ましく思いました。