第101回矢田朝士氏(ATELIER-ASH代表)、木村吉成氏、松本尚子氏、阿曽芙実氏
タイトル |
第一部:「まなざしの向こう側」 第二部:矢田朝士氏・阿曽芙実氏・木村吉成氏・松本尚子氏によるトークセッション |
日時 |
2011年7月15日(金)18:00〜20:00 |
会場 |
兵庫県民会館(303) |
第101回のアーキテクツサロンは、故石井修氏からの脈絡で無有建築工房の竹原義二氏に続いて、無有建築工房で修行を積まれた矢田朝士氏を招いて「まなざしの向こう側」と言うテーマで修業時代と重ねて自身の建築観、世界観をお話頂いた。
旅を通して様々な場面や空気を敏感に感じ取り、心の中に確実に刻まれている事象が矢田氏の建築の原点になっているという。素材に拘り、自然や季節感を許容し向き合える距離を自身が明確に持っており、クライアントが受け入れる事ができる環境を着実に共有していると言う話しは大変興味深く、快適な空間とは?湿度や風や音の気配が心地良い空間とは?等々、昨今の性能表示や数字で安心を提供している住宅メーカーやマニュアルと対極にある建築を感じた。
第2部は、矢田氏を交えて阿曽芙美氏、木村吉成氏+松本尚子氏4人のトークセッションで、会場のゲストも参加しながらの鼎談で若手にとっては新鮮な講演会と映ったようである。
各々各自が持ち寄った写真を矢田氏が質問や想いを聞き出す形で、木村氏、松本氏は、それぞれの建築を考える思考や、面白かったり感動をする場面が些細な日常風景の中や生活の中に見出している事や、植物や動物の無造作な仕草が建築を考える上でのインスピレーションになっていると言う。阿曽氏は漠然とユラユラ、自身の中にある記憶や素材や出来事を様々なキッカケから答えを導いていくような組立をおこなっているようで、形や色が最初にある訳ではなく素材や仕上げの経年変化による美しさが何処まで担保されるのかと言うような厳しい目でモノ作りに取り組んでいる姿勢を語られた。