日本においてこの問いに対する答えはとても難しいものです。
欧米では建築家は医師・弁護士と並んで公益の為に働く専門家とされています。
建築に携わる技術者はエンジニアと呼ばれアーキテクトとは区別されています。
日本には「建築士」という国家資格があります。
建築の設計をしている人たちだけでなく、
役所で建築行政に携わる人や、
建築現場で施工に関わる人、
不動産関連に関わる人など幅広く建築士の資格をもった人が存在します。
欧米流にいうならば、
建築士の中でも建物の設計を専門にしている建築士が
一般的にイメージされる建築家(アーキテクト)に近いのではないでしょうか。
日本建築家協会の正会員は、
いわゆる建築家のイメージと同じ、
建築設計を専業として日々設計活動をしている人になります。
建築家は、
建築の設計を通してクライアントの財産・利益を守る財務面でのサポート、
建築に関わる法律、建築施工のチェック、建物の維持・診断など広範な知識と技術を要求されます。
そういった高度な専門技術に加えて芸術的創造力を持ち、
クライアントと社会に対して高い責任と倫理観を持ち合わせています。
この様に建築家とは、
ただ単に作家然としているだけの「芸術家」ではありません。
社会に対してプロフェッショナルなサービスを提供できる職能なのです。
日本建築家協会では、国際的な基準に基づいた登録建築家制度を進めており、
正会員は全員、登録建築家となることが決められました。
これは、建築家の定義が法的になされていない日本において、
建築家を認定する唯一の制度です。
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