第08回與謝野 久
タイトル |
第8回アーキテクツカフェ ~創るというこころのいとなみ~ |
日時 |
2020年01月23日(木)18:00~20:00 |
会場 |
JIA兵庫地域会事務局 |
講師の與謝野久氏は、設計実績を基に研究したひらめきのメカニズムを紹介されました。歴史に対する鎮魂の象徴として設計されたひろしま美術館は、人々の心をいやす事を言葉としてクライアントと共有することから設計が始まったそうです。古典的表現が印象的なシューボックス型のいずみホールは、クライアント、建築家、音響技術者の立場の違いを超えるためにドローイングを用いたところから創造が広がったと説明されました。自然光を取り込むスケッチからスタートしたというフェニックスホールは、交差点という立地からイメージした開放的な視覚要素を聴覚空間に取り込む斬新な音楽ホールです。最先端学術研究拠点の国際高等研究所では、悩ましい時間を超えたデフォルトモードから核となるアイデアが生まれたとお話しされました。それぞれの設計を通じてどのような過程でひらめきが生じるかを脳科学的に考察し、イメージしやすいイラストを交えてご説明くださいました。技術発展とともに脳科学が進み、これまで感覚的であった創造の過程が明らかにされつつあると指摘されます。この講演会を機会に異分野の知見に触れ、思考をめぐらす事で発想豊かに活動したいと思います。(菅原英房)