すまいまちづくり育成塾

すまいまちづくり育成塾プログラム概要-PROGRAM INFORMATION-

 すまいまちづくり育成塾「T-CUBE によるボクたちとワタシたちの村」は、2010年に作成された独自の建築教育プログラムです。「つながる」の頭文字からT-CUBEと名付けられた立方体模型を用いたワークショップで、これまでに延べ1,100人以上の子供達が参加しました。開催を希望される教育関係者や保護者の皆様は、JIA兵庫地域会までお問い合せ下さい。

1.事業の概要
 名称 すまいまちづくり育成塾
    T-CUBE によるボクたちとワタシたちの村
 対者 主に小学校5~6年生、中学生
 主催 公益社団法人 日本建築家協会 近畿支部 兵庫地域会
 特徴 義務教育課程における正規授業としての建築教育プログラム
 会場 小学校・中学校等の教室等、またはオンライン形式
 備考 詳細資料PDF(別ウィンドウで開きます)

2.教育の目的
 建築と都市に向き合う建築家が職能を活かしながら社会貢献する取り組みです。子供が扱いやすい教材を用いて個人と社会の繋がりを体験的に学習し、まちづくりへ主体的に関わる事の重要性について理解を深めます。景観整備、災害対策、気候変動など山積する課題に対し、皆で関わり解決する社会への発展を期待します。

3.教育の効果
 まちが出来上がる過程を疑似体験し、公共心を培う建築教育プログラムです。目的に向けて試行錯誤しながら実現する方法を身につける事ができます。対話力、団結力、決断力、統率力が求められるワークショップ形式で、環境や建築が互いに影響し合いながら存在していることを理解します。子供達が積極的に参加できるよう建築家がサポートしています。

授業の様子

プレ授業

1人作業

6人作業

2021年日本建築学会教育賞(教育貢献) 受賞

賞状

大和国南方法華寺造碑鳳凰

ウィトルウィウス

JIAゴールデンキューブ賞2019/2020 特別賞 受賞

授賞式の様子

授賞式の様子

授賞式の様子





「第2回 T-CUBEによるボクたちとワタシたちの村」

対象 啓明学院中学校 中学1年生
1クラス約39人×4クラス  
科目 総合(建築授業)
開催日時 2012年6月20日(水)40分(プレ授業)
2012年7月11日(水)90分(本授業)
           3時限4時限 45分授業2コマ 合計90分×2クラス
           5時限6時限 45分授業2コマ 合計90分×2クラス
構成 2クラスを同時 2回開催
ワークショップは1クラスを7グループにわけ、1グループ5〜6名の生徒に建築家1名が担当

第1回目と同プログラムで今回は中学1年生を対象に授業を行う。

本授業に入る前に、プレ授業としてスライド授業を行う。
第1回は本授業の中でスライド授業を10分間行ったが、時間的余裕をもつため今回はプレ授業で約30分間のスライド授業を行った。
スライドでは様々な村の成り立ちや窓を介して人や外とつながる窓のあり方を紹介し、本プログラムのキーワード「つながる」のヒントとした。
第1回同様、こどもには、家以外にある一辺1.8M角のスペースを自分の場所として、そこでどんなことをしたいか、どんな感じにしたいか、何か一つに絞って考えてきてもらうことを宿題とした。
与えられた自分のスペース(一辺1.8M角の立方体)の実際の大きさを体感できるように、パイププレームを布で覆った出入り可能な1.8M角の実物大T-CUBEを設置し、空間の大きさを自分の目で見て体で感じ、自分のT-CUBEをどんな場所にしたいのかを考えてもらった。

本編授業
ワーク1
各自宿題では自分のT-CUBEをどうしたいのかについてだけを考えてきていた。

与えられた条件や進め方は第1回と同様に行った。
ワーク1では各自に段ボールでできた1/20模型のT-CUBEが与えられ、友達と2人組になり、自分のT-CUBEと友達のT-CUBEに加え2人で一緒に使い方を考える白色の共有T-CUBE、この3つのT-CUBEを使ってそのつながりや関係を考えることが知らされる。
自分のT-CUBEには入り口1つ窓2つまでと決められた条件で、それぞれの目的や関係性を考え、
共有CUBEの使い方を一緒になって考える共同作業である。
2人組での話し合いは、ペアによって違いはあるものの、協力して考えてくれた。

ワーク1

ワーク1

ワーク1


ワーク2
ワーク2も与えられた条件や進め方は第1回と同様に行った。

敷地が与えられ、2人組を3グループ、合計6人で3つのT-CUBEの固まりを敷地に配置し、小さな村をつくることになる。
スケールをわかりやすくするため、人型も与えられる。
敷地は丘、木、池という特徴ある3つの要素がある。
それらの特徴を生かしながら、環境との関係を考え、6人で3つのT-CUBEブロック(合計9つのT-CUBE)の配置を考えた。
最終的に村に名前を付けるため、どんな村にするのか、テーマを話し合いながら環境や他の人との関係性、形態についても同時に考えてもらった。

中学1年生という年齢の影響か、小学5年生の時と比べると男女間の話し合いが進みにくい様子。

ワーク2

ワーク2

ワーク2


発表
各グループでつくった村を間隔を空けて床に並べ、村の名前、どんな村なのかをグループごとに発表する。
全グループが発表した後、全ての村をくっつける。

発表

発表

発表


感想
普段の授業とは違った経験で、子どもたちは戸惑いながらも楽しんで積極的に参加してくれた。

今回スライド講義をプレ授業で行い、本授業は第1回よりも少し時間的ゆとりを持たせたがやはり時間が少なく感じられた。
制作作業に集中するだけでなく、グループ全員で、「環境を考えながらCUBEをどう配置するか」「つながりをどう考えていくか」などを話し合い考え決めていくプロセスを大切にし、今後に生かして欲しいと願う。
つくった村を、さらに話し合い発展させて考え、文化祭などで発表し見てもらえる機会があれば子どもたちの意識もより高まる気がする。
中学1年生が2年生、3年生と成長するにつれ、同じプログラムでもものの見方も変化してくるだろう。
プログラムを通して子どもの成長や変化を見たいと感じる。



第2回すまいまちづくり育成塾:参加建築家
2012.7.11
担当クラス 氏名 主宰事務所 授業担当 所属
1-A.1- C統括 八木康行 ステュディオエイトアーキテクト 1-A.1- C JIA(兵庫地域会会長)
1-B.1- D統括 矢代恵 MEG建築設計事務所 1-B.1- D JIA(兵庫地域会運営委員)・実行委員長
1-A, 1-C 長谷川総一 長谷川設計事務所 A-1,C-7 JIA
内藤玲子 SWITCH建築デザイン事務所 A-2,C-2 JIA(兵庫地域会運営委員)
村上隆行 eu建築設計 A-3,C-3 JIA
阿曽芙実 阿曽芙実建築設計事務所 A-4,C-4 JIA(兵庫地域会運営委員)
前田さえ アトリエsae A-5 建築士会
荒谷省午 荒谷省午建築研究所 A-6,C-6 JIA
長尾健 長尾健建築研究所 A-7,C-1 JIA(兵庫地域会運営委員)・プレ授業担当
山田智恵 山田智恵建築設計事務所 C-5 無所属
1-B, 1-D 庄司圭介 庄司圭介アトリエ B-1,D-1 JIA(兵庫地域会運営委員)
八木景子 すまいの再生デザイン室 B-2,D-7 兵庫県建築士会
山崎康弘 シンプレックス B-3,D-3 JIA(兵庫地域会運営委員)
杉本雅子 アトリエフーガ B-4,D-4 兵庫県建築士会
久保田淳司 ヒント B-5,D-5 JIA(兵庫地域会運営委員)
都倉泰信 マンゴーデザインアーキテクト B-6,D-6 JIA(兵庫地域会運営委員)
福田浩明 福田建築工房 B-7,D-2 JIA
記録・タイムキーパー 土山達也 テラモンテ建築研究所 JIA(兵庫地域会運営委員)


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