JIA兵庫｜社団法人 日本建築家協会 近畿支部兵庫会

階段の家
階段状のインターフェイスにより、ご近所とつかず離れずの絶妙な距離感を保っている。 家族を含む周辺の方々にとって、新しい｢場｣であると同時に、ライフスタイルの幅を広げ、さらには友達や知り合いの輪を広げ、その絆を強めることにつながっている。 蹴込部の開口からこぼれる太陽光は、さながら木漏れ日のようであり、木製天井のおかげもあり、樹木に包まれているような温かさを感じることができる。

北庭の家
能登川に向かって下った階段屋根は、川に集まるホタルや鹿、紅葉を楽しめ、若草山や生駒山の山並みを望むことができ、多くの人が集まってくつろげる憩いの場所をつくり出している。 夏は縁側の開口部から川面を流れる涼風を受け入れ、南側上部のガラス欄間や温度センサー付き換気扇から排熱し、冬は東西南側上部のガラス欄間から取り込んだ太陽光を室内全体に行き渡らせ、一年を通じて自然エネルギーを利用した室内環境を実現。

みちいえ
生活時間の異なる家族のための住宅。 「みち」を通すことで、家族それぞれが自分の部屋に外部から直接アクセスすることが可能であり、自由に「みち」を介して各部屋に自由に出入りできる、行き止まりのない動線を計画した。 道路幅員が狭く建物が密集する小規模の住宅街のなかで、通行人の視線が抜け、光と風も通り抜ける心地よいスペースとなっており、街並への圧迫感軽減と自然を感じる空間としても機能している。

スミキリノイエ
昔ながらの長屋が多く、近隣同士の付き合いが色濃く残っている住宅地。 景観を考慮し、階を隅切りさせて駐車スペースを確保すると同時に、建てこんだ住宅密集地で見通しがきく空間を生み出すことで、周辺環境の安全性向上と圧迫感軽減に寄与している。 ファサードに平織り格子を採用することで、プライバシーを確保しながらも透過性があり、やわらかいイメージを持たせることにより、近隣の方々との快適な距離感を実現している。

出窓の家
眺望・採光の確保を優先するために、墨角部に大きな窓を設け、構造的に不利になるのを窓の外側を耐力壁として構造的な補強を兼ねた大きな開口部としている。 「出窓の家」はリビングを中心にして収納、動線、出窓の順に入子の空間構成とすることで、日中は全室において自然採光のみで十分明るく、出窓から他方向からの採光とともに動線、ロフトの窓の開閉による給排気が容易となり、機械に頼らない住環境の調整を可能にしている。